帳簿記入

昔は会社の帳簿作成は簿記の原則に従って仕訳を行い、総勘定元帳への転記・補助簿の記入・締め切り・試算表の
作成・貸借対照表等の財務諸表の作成まですべて手作業で記入・集計作業が行われていました。しかし、最近では
コンピュータも普及し、会計ソフトやERP(販売・生産・会計などの統合業務システム)という大がかりなものまで開発
され、パソコンによる帳簿処理を導入する会社も増えてきました。

パソコンによる場合のメリット
 大量のデータも仕訳さえ入力すれば、それからの総勘定元帳から決算書の作成まで、すべてパソコンが処理して
   くれますので、月次決算の迅速化・大幅な経理コストの削減が期待できる。
 経営資料の作成のスピードアップが図れ、経営上の問題点の早期発見に役立つ。

   
 中小企業では、手作業で出納帳などを作成したり、領収書等原始資料から外部にすべての記帳作業を依頼すること
も少なくありません。
 記帳状態がよくないほど記帳作業のために余分な費用を支払うことになります。
経理コストを減らしたい、もっと月次決算書を早く入手したいという場合には、パソコン会計を導入することを検討してみて
ください。
また、社内において仕訳作業を数人で分担して行う場合には、伝票を使用すると便利です。(入金伝票・出金伝票・振替
伝票など)

コンピュータ処理 手作業
伝票の起票(仕訳の下書き)・入力
       自動
仕訳作業
転記作業
総勘定元帳・補助簿
   自動
試 算 表 ・ 決 算 書
   自動
集計作業
分 析 資 料 計算作業


  もう一歩進んだ効率化を図るには、伝票の起票をなくし、証憑書類から直接仕訳データを会計ソフトに入力する「ノン
伝票」会計を導入します。
 また、帳簿や書類の電子保存が法令で認められるようになりましたから、一定の条件をクリアし、手続きをすれば、
仕訳帳・総勘定元帳・補助簿などをハードディスクやCD−Rなどに電子保存することもできます。(紙を出力しなくてもよ
くなる。→紙ベースの帳簿をなくす「レス帳簿」を実現する。)
 手書きの帳簿をなくすといっても、コンピュータの中にはいつでもすぐに取り出せる振替伝票や他の帳簿が蓄積されて
います。現金の出し入れのたびにコンピュータに入力するのが困難な場合等は必要に応じ一部手書きの帳簿も併用す
るとよいでしょう。
 会計ソフトなら、経理の専門家でなくてもパソコンの操作ができれば、アルバイトやパートにまかせることも可能です。
この「ノン伝票」と「レス帳簿」は、大幅な経理コスト削減に役立ちます。  

 コンピュータ化が進んでも、仕訳を正しく入力することと、間違いをチェックする作業は、人の手によって行われます。
毎月各勘定科目の残高や内容に間違いがないか確認するようにしましょう。