経費の支払

会社において日常的に発生する経費は、経理部において支払処理がされます。
その支払手段としては現金払い、小切手払い、自動引落とし、振込みによる場合があげられますが、特に難しい作業
ではないので、初心者にまかされることも少なくありません。
 支払係は支払について上司の承認を得たら、請求書の金額どおり支払期日までに正しく支払うことが主な仕事となり
ますが、それぞれの支払に関する会計処理もセットで行う場合には、どの経費の勘定科目で仕訳をするかということを
考えます。
 一般的には、簿記で通常使われるような分類で仕訳しますが、各会社でこの支払はこの勘定科目で処理するという
ようなルールを決めていることもあります。
実務上、勘定科目を設定する際には特に2つの考えを交えて分類する必要があります。

経営管理目的
  予算の管理や期間を通じて比較しやすいように一定のルールに従って分類し、担当者によって処理が変らないよう
にする。
税務目的 
  税法上の取扱いを加味した分類集計を行い、税金計算をスムーズに行えるようにする。

経費の予算管理

経費については、あらかじめ決めておいた予算額の範囲内でできたかどうかを確認し、改善していくことが重要です。
会社は儲けるため(利益を獲得するため)に営業しているのですから、売上を増加させる努力をするとともに経費を減ら
す努力もしなければなりません。
   
収益(大部分は売上)−費用=利益  ですから、費用を減らすことは結果的には売上を増加させ
ることと同様に利益の増加をもたらします。
 
経費を減らすためには、まずコスト意識をもって仕事をすることが大切です。
 その経費は絶対に必要なのか、もっと安くできる方法はないかなど、あらゆる視点でリアルタイムにチェックしていくこ
とで、無駄な支払も減らせるはずです。
 このような管理をするときには、経費を
管理可能費(経費削減によってコントロールが可能な経費)と管理不能費(コン
トロールしにくい経費
)に区分し、さらに部門ごとにその責任範囲を決めることで、より効率的に経費を削減しやすくなり
ます。

管理可能費(責任者の判断や権限によって増減が管理できる)
    旅費交通費・交際費・広告宣伝費・通信費・水道光熱費・会議費・研究材料費・事務委託費など

管理不能費(人員・法令・契約などの制約を受けているので、年間支出額が自動的に算出されるものが多い。予算は立てやすく、実績ともあまり変らない)
    法定福利費・租税公課・賃借料・リース料・減価償却費・慶弔費など

売上高と連動して増減する経費
    販売手数料・運賃・荷造梱包費など

なお、経費の支払い方についての事務作業効率化を図るには、極力現金による支払をなくすことです。
振込みや口座振り替えを利用し、小口現金の仮払い・精算についても、回数を減らしたり、給与と同時に支払うなど
します。(煩雑な支払事務作業のための人件費を削減するとともに、他の従業員も立替額を減らすよう意識してくれる)


      具体的なコスト削減策については別メニューで取り上げます